「あずみ」の日記帳 |
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『天外魔境ZERO』もいよいよ終盤に差し掛かった。 ついに『アグニの剣』に『アグニの火』を入れ、『ヒガンの剣』を手に入れた。 コクビャク(第二形態)も倒したし、あとは竜国城へ行ってニニギを倒すのみ。 俺ったらここまでに随分やりこんじゃったみたいで、もう全員73段よ。 巻物も全て受け取ったし、スバルの“マもの”も全て集めた。 火熊神社のたまご屋で育てた“マもの”が『極楽蝶』ではなく『猪鹿蝶』なのが心残りだけど。 でも、これだけ強くなったパーティーがニニギに立ち向かってはあまりにもつまらないので、 もうしばらく竜国城はおあずけにして、犬神国で金でも掘って遊ぼうと思う。 こんなゲーマーな俺だが、そもそも『天外魔境ZERO』との出会いはろくでもないものだった。 16歳、俺は引っ越した。 越す当日に、金を貸してた友人Kに最終取立てを試みた。 Kは利息付きで俺に金を返すと、小さな紙袋も一緒に差し出してきた。 「あんたには色々と世話になったよ。 こん中にクソゲーいっぱい入ってるから、引越しで外遊び出来ない時はこれで暇つぶしなよ」 Kの言葉通り、紙袋の中には7本ものクソゲーが入っていた。(うちGBカセット3本) その中の一本が『天外魔境ZERO』だったのだ。 家に帰り早速『天外魔境ZERO』を付けてみると、 なんとKのセーブデータが最終章のまま残されており、 ユーザーデータもKの誕生日なんかが入力されていて、それでは誠につまらないと思い、 俺は親しい友人にバグ技を聞いて全てのデータを破棄し、 PLGS機能においての時計の設定からやり直したのだ。 そして俺の高校時代は『天外魔境ZERO』で幕を開けたのだが、 ある日突然、バグったのだ。 ♪ 3、2、1、0(3、2、1、0) BUGってハニ〜(BUGってハニ〜) ♪ 俺はもうヤル気が失せてしまい、そのまま数年間放置していた。 そして今年の4月、旦那の実家で見覚えのあるクソゲー『天外魔境ZERO』を発見した。 数奇な運命と言えよう。 俺はあの頃と同じようにバグ技を用いユーザーデータを書き換え、再び剣を取ったのだ。 |