とある場所に駄文を書き連ねようと思ったが、 書いてる自分にもなかなか全体像が見えてこない。
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海風の寒さで目が覚めた。 祖母と朝食をすませ、文庫本を一冊ポケットにしのばせ家を出た。 別段用事はないだが、やつれた祖母と顔をあわせっぱなしというのは精神的に辛かったのだ。 景色のいい適当な場所を見つけて読書でもしよう。
どうも町の様子がおかしい。 普段なら日が昇る前にはとっくに海に出るか畑に行っているはずの男たちをあちこちで見かけるし、うってかわっていつも軒先で駄弁っている女たちは見当たらない。 家々から煙が上がっている所を見ると(驚くべきことに、この島では半数以上の家が未だに竈で煮炊きしているのだ)家の中で何か料理をしているらしい。何か祭りでもあるのだろうか?少なくとも、祖母はそんなことは話していなかったが。
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